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2012年06月23日

今日は「慰霊の日」


慰霊の日のことは書くのをやめようと思っていたけど書きました。



沖縄戦を体験した祖母に話しを聞きに行き
当時19歳だった祖母が60年以上たった今も
心の傷が癒えていないことを感じ取った嘉味田朝香(かみだともか)さんは
その事を詩にしました

6月23日沖縄慰霊の日
慰霊式典で浦添私立仲西中学校2年生の嘉味田朝香さんが
「幸せの一枚」の詩を朗読されました。


 今日は「慰霊の日」

幸せの一枚
浦添市立仲西中学校2年生 嘉味田朝香


私の祖母が持つ 一枚の写真

何年も経つけれど 忘れられない言葉 忘れられない笑顔

小学生の頃 先生が出した宿題

家族から戦争の話しを聞いてくる事

急いで出かけた祖母の家

祖母は何も言わず棚の上から一枚の写真を取り出した

古びた写真に写る子ども達

満面の笑顔の男の子 勝ち気そうな女の子

おとなしそうにはにかむ笑顔 豪快に口を開けた笑顔

沢山の笑顔

一人ひとりの目は未来を見つめ キラキラ輝いている

「この人だあれ?」真ん中に写る女性を指さす

祖母に尋ねる

祖母は淋しそうに笑い


「わたし」
一言だけ答えた

一人ひとりの顔をいとおしそうに懐かしそうに

指でなぞるように 眺めながら 時が止まる

「この子たちは?」
再び祖母に尋ねる私

「おばぁちゃんの生徒達 大切な 大切な 生徒達」

「みんなどうなったの?」
祖母は答えなかった

ずっと、黙ったままだった

幼い私にも
祖母の深い悲しみが 深い苦しみが 痛いほど伝わった

長い沈黙の後祖母は
「どうして戦争なんてするのかね 戦争さえなかったらみんな幸せだったのに」

わたしはもう一度写真を見た

みんな笑っている

幸せそうに笑っている

愛する家族がいたはずだ

沢山の夢があったはずだ

大人になる その日を夢見ていたはずだ

その笑顔を 幸せを 奪った戦争を私は許さない

絶対に 許せない


祖母は多くを語らない

私はあれ以来あの写真を見てはいない

祖母の家に眠る一枚の写真

それに込められた祖母の想い

もう何年も経つけれど忘れない

私はずっと 忘れない

私達が忘れない限り 平和は続くだろう

だからこそ 忘れてはいけない

この地には 沢山の笑顔が 沢山の夢が 眠っている事を


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私たちは、平和を願いながらも亡くなられた多くの人々を思い、

今の平穏や何気ない日常に心から感謝し、

今日という日を、二度と同じ過ちが繰り返されてはならないのだと誓う日にしたいです。

ともに黙祷を捧げたいですね。



砂川 孝子



Posted by 浦添商業8期生 at 10:21│Comments(0)
 
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